イタリア発 セリエA試合結果 詳細と採点



02.10.21++モデナ 2-1 パルマ エミリアダービー試合詳細
■集中力を欠いたパルマにモデナが逆転勝ち(2-1)

エミリアダービーはモデナがパルマに勝利を収めるという結果に終わった。
前半には40分のムトゥのゴールでパルマが先制したが、後半には途中から出場したファッブリーニとカマラがそれぞれ67分、85分にゴールを決めてモデナが逆転に成功した。  

試合の大部分はパルマが主導権を握っていたが、後半になって勇敢に攻撃を仕掛けたモデナのプレーは勝利に値するものだった。  

日曜夜のゲームは、セリエAでは初となるモデナとパルマのエミリアダービーだった。
試合前の時点ではともに勝ち点6で並んでおり、アルベルト・ブラッリャには満員の観客が詰め掛け雰囲気を盛り上げていた。  

デ・ビアージ監督はU-21代表でも大活躍したスクッリを引き続きFWに起用し、その相棒として意外にもファッブリーニではなくパジーノをスタメン出場させた。
マウリ、ミラネット、コルッチ、ポンツォのコンパクトな中盤に加え、バレストリはディフェンスラインまで下がって4バックを形成していた。  

一方パルマのプランデッリ監督はベストメンバーを揃えてこの試合に臨むことができた。
前線はムトゥとアドリアーノのコンビに加え、日本から金曜日に戻ってきたばかりの中田が若い2人をサポートする。

中盤にはブリギとE.フィリッピーニがスタメンで、ドナーティとブレッシャーノはベンチからのスタートとなった。  

両チームともに過度に戦術的になることなく正面からぶつかり合い、試合は序盤からハイペースとなった。
しかし、最初の決定的なチャンスは前半16分まで待たなければならなかった。  

アドリアーノのエリア外からの強烈な左シュートがクロスバーを直撃し、跳ね返ったところをブリギがヘディングで押し込もうとしたが、ボールはGKバッロッタの腰に当たり枠を外れてしまった。
決してスペクタクルではなかったがパルマの攻撃はモデナを苦しめ、ディフェンス陣はピンチをコーナーキックに逃れることが多かった。  

一方でモデナの攻撃は、前線でスクッリがパジーノとの息が合わずに孤立していたこともあり、GKフレイのところまで到達することはほとんどなかった。  

29分にはアドリアーノが遠目の距離から惜しいフリーキックを放ったが、バッロッタが必死に体を伸ばしてコーナーに逃れた。モデナの最大のチャンスは34分、マウリがゴール前に抜け出そうとしたが、フレイがエリア外まで飛び出してヘッドでクリアした場面だった。  

前半終了間際にはパルマはさらに攻撃の手を強める。40分、ベナッリーヴォの右からのクロスに続くプレーでボールを受けた中田のシュートはわずかにクロスバーの上を越える。  

その直後にパルマが先制点を奪った。ここまで非常にいいプレーをしていたブリギがゴールラインを割ろうとするボールに追いつき、モデナのゴール前へクロス。コルッチの中途半端なクリアボールにムトゥが右足で合わせ、ゴール正面への強烈なシュートでバッロッタを破った。  

さらにパルマは追加点のチャンスを迎える。44分、マイエルが中盤でボールを奪われ、アドリアーノがゴール前へカウンターを仕掛ける。しかしマイエルが自ら取り返し、パルマの2点目とはならなかった。  

後半になるとデ・ビアージ監督はコルッチとマウリに代えてカマラとファッブリーニを投入し、スリートップに加えてパジーノがそれをサポートするという攻撃的な布陣で勝負に出る。その威力はすぐに発揮され、パルマのディフェンス陣を苦しめていた。  

しかし最初にチャンスを迎えたのはパルマのほうだった。56分、アドリアーノが高い技術を見せゴール前でフリーとなったが、最後はボールタッチを誤ってしまう。  

64分にはゴール前でのアドリアーノのプレーからこぼれたボールをE.フィリッピーニがシュートミス。さらにこぼれ球を角度の無いところから狙ったが、ゴールライン手間でモデナのDFにクリアされてしまった。  

しかし67分にはモデナが同点に追いつく。バレストリが左サイドからゴール前に入れたボールから、最後はファッブリーニが至近距離からのシュートでフレイの守るゴールを陥れた。  

これで勢いに乗ったモデナはさらに攻撃に出ようとしたが、71分にはまたしてもアドリアーノが長距離からのフリーキックでゴールを脅かす。しかしこれもバッロッタが弾きコーナーに逃れた。  

その1分後には中田のヘディングシュートに対してバッロッタが飛び出しを誤ったが、ボールはバッロッタの胸に当たり、最後はチェヴォリがコーナーにクリアしてピンチを防いだ。  

終盤になるとパルマには疲れが目立ち始め、引き分けでもいいというような戦い方になっていく。
しかし85分、カマラがエリア外から強烈な右足ミドルシュートを放ち、これがゴールポストぎりぎりに突き刺さる。モデナが意外な、しかし非常に大きな勝利を手にすることになった。  

この勝利によってモデナは勝ち点を9に伸ばし、ローマとユベントスに並んで5位となった。
後半にスリートップ+トップ下という布陣で勝負をかけたデ・ビアージの勇気が報われた形だ。  

コンディションが落ちてきても選手を代えなかったプランデッリはあまりにも消極的だった。
パルマはこれで勝ち点は6のまま。リードを守りきれずに終盤に失点を喫してしまう勝負弱さが目立っている。



02.10.21++アタランタ 1-4 ミラン 試合詳細
リヴァウド、トマソン、ピルロ(2得点)のゴールでミランはアタランタを一蹴した。ミランは今回のアタランタ戦でも超一流の組織プレーを披露している。またアタランタが唯一決めた得点は、ミランに所属していたDFサーラの得点だった。

代表戦で足の負傷を再発させたFWインザーギは状態が良くない為にベンチに控え、2トップはリヴァウドとトマソンが組み、その後方にルイ・コスタとセードルフが配置された。
アタランタはロッシーニが欠場した影響で若手のビアンキがピアのパートナーに抜擢されている。

ミランは試合開始直後からホームのアタランタに襲い掛かった。セードルフとカラーゼが精力的に動き回り、ピルロからは前線のトマソン目掛けて絶妙なパスが配給された。  

デンマーク代表のトマソンは他のチームメイトよりもコンディションが良くなかったが、ピルロから来るパスが決定的だったため、ボールを受けた後は飛び出してくるGKタイービをかわすシュートさえ打てば良い状態であった。  

劣勢に立つアタランタは左サイドのザウリと前線のピアで攻撃を試みるが、ミランの圧倒的なプレッシャーの前に攻撃の芽は摘み取られていく。  

前半15分、ミランに先制点が生まれる。
エリア外でボールを持ったリヴァウドが斜めに射抜くロングシュートを放ったが、GKタイービは僅かに反応が遅れこれをセーブできなかった。アタランタ0-1ミラン  

アタランタはこの数分後に元ミランのサーラがゴール右上にシュートを突き刺し同点に追いつくが、このすぐ後にホームのアタランタファンは悪夢を見る事となった。
リヴァウドが作った決定機でトマソンがゴール前から追加点を決めたのだ。アタランタ1-2ミラン

アタランタは前半終了間際に左サイドのザウリが意表を突くロングシュートを放ちビアンキが詰めたがゴールを奪うことは出来なかった。  

後半もミランの攻撃は続く。
絶好調のルイ・コスタと貫禄を見せ始めたピルロのプレーでアタランタを圧倒し、精彩を欠くアタランタの攻撃はネスタとマルディーニに悉く潰されていった。そして3点目が生まれる。  

リヴァウドからパスを受けたルイ・コスタは一人でアタランタ守備網を突破し、そしてゼノーニに倒されPKを得る事に成功した。このPKをピルロが決めてミランが3点目をゲットする。アタランタ1-3ミラン  

反撃を試みるアタランタだが、ガウティエリが放ったシュートはポストを掠め、ビアンキが打ったシュートはゴール上に外れた。

試合は既に決まっていたが、ミランはさらに追加点を決める。
FKからピルロが放ったシュートにGKタイービは一歩も動く事が出来ずにゴールを許した。アタランタ1-4ミラン  

このあとタイービはルイ・コスタとガットゥーゾの決定的なシュートを防ぐ活躍を見せたが試合はこのまま終了しミランが勝利している。  

アタランタは昨季をも下回る低調さで敗戦を喫し、一方で勝ち点3を得たミランはインテルと共に首位に立っている。


02.10.21++ウディネーゼ 1-0 レッジーナ 試合詳細
後半5分にピサーロがPKを決めたウディネーゼはこの貴重な1点を守りきり、レッジーナ戦を最小得点差で乗り切る事に成功

前節のローマ戦に大敗しているウディネーゼにとっては是が非でもこのレッジーナ戦は勝たなくてはいけない試合だったが、同様に、4試合を消化した段階で勝ち点を2ポイントしか稼げていないレッジーナにとっても勝利は至上命令であった。

そして迎えたこの一戦。ウディネーゼはセリエA残留を争うであろうレッジーナから値千金の勝ち点3を奪う事に成功している。  

ウディネーゼはこの試合で3-4-3システムを採用したが、成長過程の若手ドイツ人DFジェミティがカバジェロ、そして衰えを知らないベテランDFセンシーニと共に3バックを編成した。また3トップを組んだ攻撃陣はイェルゲンセンとヤンカー、そしてケガから復帰してきたムッツィが務めている。

一方のレッジーナは不完全な4-3-2-1システムを選択し、中村とレオンが1トップのFWディ・ミケーレの後方に配置された。  

試合はウディネーゼの攻撃で始まったが、レッジーナの堅い守備の前にウディネーゼはシュートまで持っていく事ができない。時間の経過と共にレッジーナは徐々に主導権を握り始め、前半の見所となるほどの大きなチャンスを2分間に2度演出している。  

前半16分、中村からパスを受けたレオンはそのままGKデ・サンティスに対してシュートを放ち、その1分後にはディ・ミケーレが単独で抜け出してシュートを試みている。しかしこの2度のチャンスは共にGKデ・サンティスのファインプレーに阻まれている。  

ウディネーゼは前半終了前にゴール前でピザッロがヤンカーに楔を入れ、パスを受けたヤンカーがムッツィにパスを通したが、エリア内に侵入したムッツィがDFピエリーニ(レッジーナ)に倒されたプレーにはPKは与えられなかった。
おそらく主審はこぼれ球を拾ったヤンクロフスキー(ウディネーゼ)の動きを優先しプレーを流したと思われるが、そのヤンクロフスキーはシュートをミスしている。  

前半はレッジーナのチームプレーが機能したがウディネーゼ守備陣を崩すには至らず、その他に大きな見せ場がないまま終了した。  

後半の開始と共にスパレッティ監督(ウディネーゼ)はFWヤンカーに代えブラジル人 FWウォルレイを投入する。  

後半は開始直後からヒートアップした。それもそのはず、交代で入ったヴォルレイがレッジーナのペナルティエリア深くに侵入し、遅れてマークにきたバルガスに倒されたのだ。ピエリ主審はこのプレーにPKを与え、ピサーロがGKカステラッツィを射抜くシュートを決めた。

このゴールはそれまで冴えない動きをしていたウディネーゼを目覚めさせ、逆にレッジーナの選手達には精神的に大きなショックを与えたようだ。  

この後、試合は失点を喫したチームが守備を固める敵に対して同点を目指す典型的な展開となったが、ウディネーゼは攻撃陣のムッツィとイェルゲンセンまでもが守備に参加し逃げ切り体制に入る。  

後半24分には中村が素晴らしいシュートを放ったがノーゴール。
また、その後にイェルゲンセンがドリブルでレッジーナのディフェンダーを2人かわし、ゴールに対して対角にシュートを放ったがこれも得点には至らない。  

試合はこのまま終了し、ウディネーゼは順位を中位に上げる事に成功した。一方でレッジーナはこの敗戦の影響で苦しい1週間を迎える事となった。



02.10.20++インテル vs ユベントス採点
■両GKがファインセーブを連発。ユベントスではカモラネーシのファンタジーとデル・ピエロのフィニッシュ力が目立った。

インテル対ユベントス戦の選手採点は以下のとおり。
試合はデル・ピエロのPKと混戦からのヴィエリのゴールで1-1の引き分けに終わった。

《インテル》
●トルド 7.5 = ユーベがゴールマウスにシュートを撃ってきたときには非常に堅実に防いだ。落ち着きの無かったディフェンス陣を落ち着かせようとしていた。そして最後は神懸かり的なプレーで同点ゴールを演出(あるいは、自ら決めたのか)。

F.カンナヴァーロ 7 = 高いレベルのプレーで何度かピンチを防いだ。彼のこういったプレーが無かったら・・・。

ココ 5.5 = 左サイドで絶好調のカモラネーシと向かい合い、良い面も悪い面もあった。PKを取られて戦犯になる危険もあった。

●コルドバ 6.5 = 闘争心剥き出しで、ミスを恐れずに勇敢なプレーをした。コンスタントに好プレー。

●マテラッツィ 6 = 彼にとっては苦しい試合だったが、全体的にはよく健闘した。決して諦めない粘り強いプレーをした。

●サネッティ 7 = いつも通り素晴らしい出来。賞賛に値する。

●アルメイダ 5.5 = プレーに対する意欲は良かったが、長い距離を走ってもそれを効果的なプレーに結びつけることがあまりできなかった。後半にはさらに苦しくなった。

●ディ・ビアッジョ 7 = インテルの中では唯一攻撃を組み立てようという明確な意思を持っていた。後半にはペースダウンし孤立した。

●クレスポ 7 = ユーベのディフェンス陣にとっては常に厄介で危険な存在であり続けた。センターフォワードとしての才能は素晴らしく、またサポート役としても大きな貢献をしていた。

●レコバ 6.5 = 天才的なプレーで相手を混乱させた。彼のある種反抗的な閃きは今のインテルにとって非常に重要な要素だ。

●ヴィエリ 7 = 地味ながら非常に貴重な働きをした。チーム全体のために自分を抑えて頑張っていた。

●エムレ 5.5 = 後半アルメイダに代わって出場。効果的なプレーはできず。

●モルフェオ 6 = レコバに代わって75分から出場。フレッシュな力を生かすことができなかった。最後はコンテとともに退場。忘れてしまいたい事件だ。

●クーペル監督 5 = プレー内容はいつも通り。個人の能力や様々な事件に救われた。うまくいっているうちは良いが・・・。

《ユベントス》
●ブッフォン 7 = ゴールに向かって抜け出したヴィエリに対するセーブでチームを救った。それ以外にも重要な場面で主役になった。最後はおそらくファールを受けていた。出来る限りのことはやった。

●ビリンデッリ 6 = 自分のエリアにとどまり、守備に全力を注いだ。攻め上がりはほとんどなく、何度かミスもあった。

●フェッラーラ 6.5 = 彼の最高レベルのプレーだったわけではないが、ベテランらしい冷静さと戦士のような激しさを見せていた。

●ユリアーノ 6.5 = あまり良くなかった。警告を受けたが、退場になりそうな場面も多かった。

●テュラム 6.5 = 何度も素晴らしいディフェンスを見せたが、彼らしくないミスもあった。全体的には非常に良かった。

●トゥドール 7 = ディフェンスの前でも、攻撃でも、あらゆる場所で活躍。引出しの多い選手だ。

●カモラネーシ 8 = 右サイドの突破や中央に切れ込むプレーは止められなかった。完璧な試合。

●ダーヴィッツ 7 = 完全復活を果たしたと言える。中盤での仕事量は膨大。

●ネドヴェド 7 = 攻撃のあらゆる場面で積極的なプレー。どこからでもシュートを放った。絶好調。

●デル・ピエロ 7.5 = 常にゴールチャンスを狙っていた。後半には才能と力強さを存分に発揮し、PKを決めて一時は勝利を手にしたかと思われた。ともかく主役だった。

●サラス 6.5 = インテルのディフェンス陣に囲まれながら獅子のように勇敢に戦った。名より実を重視するプレー。

●コンテ 6 = トゥドールに代わって82分から出場。活躍するにはあまりにも時間が足りず、最後は悪質な退場に。

●ザンブロッタ 6 = ビリンデッリに代わって60分から出場。それほどの活躍は無かった。

●サラジェタ 6 = サラスに代わって70分から出場。ひとつ決定機を逃してしまった。

●リッピ監督 7 = 非常に規律の取れたチームを作っている。あとは勝利が欲しい。



02.10.20++ーインテル 1−1 ユベントス 試合詳細
■89分にデル・ピエロがPK、95分にトルドも攻撃に加わりヴィエリが同点ゴール。  

夢のような雰囲気となったサン・シーロで、5月5日の両雄が再び剣を交えた。
インテルは復讐のために。ユーベはもう一度インテルに屈辱を味わわせるために。

インテルはいつも通りの布陣だった。
クレスポと、復帰したヴィエリの後ろをレコバが支える。
ユベントスはトレゼゲ、モンテーロを欠き、ディ・ヴァイオはベンチスタート。サラスがデル・ピエロとツートップを組む。  

2分が経過した後、ユーベは早くもチャンスを作り出す。
トゥドールがマテラッツィより先に飛び込んでボレーを放ったが、わずかにゴール上に外れた。
それに続くプレーでのネドヴェドのシュートはゴール横へ。序盤はユーベが積極的だった。

試合のペースは上がっていく。
ミスを犯したくないのはどちらも同じだったが、徐々に綻びが見え始める。

デル・ピエロからのヒールパスで抜け出したテュラムはエリア内でマテラッツィに止められた。続いて13分、フェッラーラがボールの上で滑ってしまったがクレスポはこのチャンスをあと少しのところで生かすことができない。

15分にはネドヴェドがインテルのゴール前に侵入し、ファーポストを狙ったがシュートは高すぎた。ユーベの勢いは止まらない。

インテルが力任せの攻撃を繰り返すのに対し、ユーベはチームとしてよりまとまっておりボールをうまく回していた。この時点では試合はどちらに転んでもおかしくはなかった。

インテルではディ・ビアージョが中盤を作ろうとしていたが、クーペルのチームの最大の武器はカウンターだった。
レコバの予測不可能なパスを受けようとクレスポとヴィエリが虎視眈々とチャンスを窺っていた。

ユーベは最初の20分間ほど猛攻を見せた後やや受け身となり、試合は完全に均衡の取れた状態になっていく。
インテルもしっかりと攻撃を組み立てられるようになったが、逆に43分にはユーベのカウンターを受ける。ネドヴェドからのパスを受けたデル・ピエロが危険なクロスを上げたが、マテラッツィが奇跡的にクリアした。
その1分後にはレコバのクロスをブッフォンが止める。

そのまま前半は終了。先の読めない好ゲームとなったイタリアダービーはしばしの休息を迎えることになった。

後半になるとユーベが再びパスを繋ぎ始め、52分に最初のチャンスを作り出す。デル・ピエロのシュートは確実に決まったかと思われたが、トルドが素晴らしいセーブでこれを阻んだ。

インテルの前線では相変わらずクレスポとヴィエリが奇襲のチャンスを狙っていたが、ユーベでは徐々に調子を上げたデル・ピエロが立て続けにゴールマウスを捉え始める。
試合の均衡は揺らぎ始めていた。

56分、ネドヴェドのシュートをトルドがセーブ。
攻撃の組み立てで勝るユーベがシュートまで達する場面が多くなっていく。しかしスコアは動かなかった。

62分、クレスポが絶好のポジションからヘディングを放ったが、クロスバーの上へ。
逆にユーベはデル・ピエロがサラスにラストパスを出したが、サラスのボレーもクロスバーをかすめていった。

ユーベが攻撃を組み立て、インテルがカウンターを狙うという展開が続いていた。
67分にはカモラネーシの絶妙のパスがサラスへ通ったが、トルドが信じられないようなセーブで決定機をセーブする。
サン・シーロの歓声が止むことはなかった。

71分にはインテルに大きなチャンスが訪れる。ゴール前に侵入したヴィエリの足元からブッフォンがボールを弾き出したが、ブッフォンがゴール前に戻る前にクレスポがシュート。しかしポストを叩く。さらに跳ね返りをレコバが狙ったが枠を外れていった。

ゴールこそ無いものの非常に神経の磨り減るような戦いだった。
75分には交代出場のサラジェタにチャンスが回ってきたが、ヘッドは高すぎた。

両チームともに消耗して前線とディフェンスが間延びしてきたが、それでも試合の行方は全く予測できなかった。
そして、最後にさらなる山場が訪れる。

88分、ココがカモラネーシを倒してしまい、コッリーナ主審はPKを宣告。
デル・ピエロがこれを決めユーベが先制した。

だが5分のロスタイムの最後の最後に、ユーベのゴール前での混戦からボールがゴールに押し込まれる。
最後に触ったのはなんとGKのトルド。あるいはヴィエリだったかもしれない。

インテル対ユーベはまたしても両チームの抗議が繰り返される展開となったが、心に染みるスペクタクルな試合でもあった。


02.10.20++エンポリ 1−3 ローマ 試合詳細
■エメルソン、カンデラ、トンマージがゴール。エンポリはディ・ナターレが1点を返す。

セリエA第6節の土曜日のゲームでローマがエンポリを叩きのめした。
ローマのゴールを決めたのはエメルソン(31分、コーナーキックの後のプレーから)、カンデラ(34分、カッサーノとのコンビプレーから)、トンマージ(93分)で、最終スコアは3-1。

エンポリは、健闘していたディ・ナターレがアントニオーリの不安定なプレーに付け込んで1点を返したが及ばなかった。これでローマは3連勝。

ローマはいつものように大量のサポーターを引き連れてエンポリに乗り込んできた。
カペッロはトンマージを入れた5人の中盤を敷き、前線ではカッサーノがバティストゥータとコンビを組むことになった。

一方のエンポリはいつも通り頑強かつ柔軟な中盤の前にサウダーティのワントップを置く形。  

試合は序盤戦からハイペースで、両チームが正面からぶつかり合う激しい展開となる。
観客も大いに盛り上がっていた。
しかし、しばらくすると中盤の狭いスペースの中でせめぎあう戦術重視の試合へと変化していく。

ようやく両チーム通して最初のシュートが放たれたのは前半20分より少し前のことだった。
パヌッチのヘディングだったが、特に危険を感じさせることなく枠を外れていった。  

攻撃面でも守備面でも効果的なプレーを見せていたエンポリに対し、ローマは相手陣内にいる時間こそ長かったもののゴールを脅かすことはできなかった。

エンポリの最初の惜しいチャンスはフリーキックだった。
26分、ヴァンヌッキのシュートにGKアントニオーリは動くことができなかったが、ボールはゴールの右へと外れていく。
そして、目に見えない両チームの力の差が徐々に現れてくる。  

31分、カッサーノの左からのコーナーキックに続く一連のプレーで、最後はエメルソンが左足で強烈なシュート。これが決まってローマが先制した。さらにローマは容赦なく追加点を重ねる。

1点目からわずか3分後、カンデラがエリア内でのこぼれ球を拾って右足で突き上げるようなシュートでGKベルティを破った。エンポリにとってはあまりにも重い2点のビハインドだった。  

ローマは格上らしく落ち着いたプレーを見せていたが、エンポリも諦めてはいなかった。
なかでも頑張っていたのがディ・ナターレだ。
39分から42分にかけて、まずは惜しいシュートをアントニオーリに阻まれ、続いてループシュートでアントニオーリを破ったがライン手前でサムエルのアクロバティックなクリアで止められてしまった。

エンポリが攻める展開で前半を終了し、試合はまだまだこのままでは終わりそうになかった。

後半に入るとバルディーニ監督は気まぐれなプレーが目立っていたヴァンヌッキを下げカッペッリーニを投入する。
いきなりそのカッペッリーニのクロスからクリバリのヘッドがポストを叩くチャンスが生まれた。  

後半のエンポリはより好戦的な雰囲気を漂わせていた。
激しい突進を試みるエンポリに対し、ローマはそれを落ち着いて受け流して試合の主導権を取り戻す術を心得ているはずだったが、ディフェンス陣の軽々しいプレーから危険な場面を迎えたり、アントニオーリが時折集中力を失ってサムエルやパヌッチにピンチを救われる場面もあった。  

エンポリはディ・ナターレを中心に攻め続け、76分にはついに1点を返す。
エリア内を転々としたボールから最後はディ・ナターレがシュートを放ち、ボールはアントニオーリの手からこぼれ落ちてゴールイン。
ローマが余裕を持ちすぎて気を抜いてしまったような形で、試合の行方は再び分からなくなった。

ローマも反撃に転じ、80分にはバティストゥータのシュートがディフェンスに阻まれ、さらにはモンテッラ(カッサーノに代わって出場)も相手GKを脅かす。
エンポリも何とか同点ゴールを狙おうとしたが、疲れが見え始めてうまくいかない。  

そして試合終了間際、GKベルティがバティストゥータとモンテッラの2本のシュートを防いだが、最後はこぼれ球をトンマージに決められてしまい3失点目。最後に笑ったのはローマだった。




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